Mission
日本高等教育開発協会は、高等教育開発者同士の連帯を図りつつ、 高等教育開発に関する活動を実践することを通して、日本の高等教育機関の教育と学習の質の向上に貢献することを理念としています。あわせて高等教育開発者としての実践の質を高め、学術研究に裏付けられた専門性を向上させる場となることを目的とします。
History
国立教育政策研究所 「FDプログラムの構築支援とFDerの能力開発に関する研究」の成果をもとに2009年9月27日に設立されました。
Spirit
高等教育における教育開発は1960年代から、欧米諸国の多くの高等教育機関で展開されています。 日本においては1990年代以降、ファカルティ・ディベロップメント(FD)が急速に各大学に広まり、 2008年度から学士課程レベルにおいて、FDが義務化されました。こうした背景には、高等教育の大衆化、 グローバリゼーション、卒業時の質保証、情報テクノロジーの進展、知識基盤社会の到来、 「いかに教えるか」から「いかに学ばせるか」へのパラダイム転換(学習者中心の教育)などを受けて、 新しい社会に適応する高等教育への転換が求められるようになったことから、高等教育開発、具体的には、 授業やカリキュラムの改善、ならびに教育・学習に焦点化された組織開発、 そして教職員の専門的能力開発に対する期待が高まっていることがあげられます。
これらの国内外の変化を受けて、各大学ではFDの取組みが展開されています。 しかしながら、日本においては、その実践や研究実績の蓄積ならびにそれらの共有は十分とはいえません。 効果的なプログラム・教材の開発や改善といった実践に加え、教育・研修効果の測定や理論的な説明をはかり、 高等教育開発の領域を新しい研究領域として、日本の高等教育機関に定着させていく必要があります。 また高等教育開発者の有する専門性を確立し、その必要性を各種組織・社会に訴えていく必要があります。 同時に、国際的な高等教育開発団体・学会との連携を推進することによって、 国際標準の教育開発へと展開していく時期に至っています。
このような趣旨のもとに、私たちは、日本高等教育開発協会の設立を企図いたしました。
本協会においては、各高等教育機関における高等教育開発者を中心に、高等教育開発の理論研究、 FD、SD、学習支援分野における研修プログラムやサービスの企画・実施・効果検証の事例の開発と共有、 そして研修講師やコンサルタントとしての能力を開発する相互研修の機会を通じて、高等教育開発者が情報交換、 能力開発、次世代育成、連帯、政策提言を協同して行っていく場として、機能することをめざしています。
私たち世話人一同は、高等教育開発に関わる方々に本協会へのご参加を、ご案内する次第です。 本協会の活動に伴って、日本の大学において、 教育・学習の質を向上させる取組みが広がっていくことを願っています。
2009年9月27日(2009年11月16日一部改訂)
世話人一同
川島啓二(国立教育政策研究所)
加藤かおり(新潟大学)
佐藤浩章(愛媛大学)